- 2019.10.11 2020.09.29
【2019年最新カジノ法案まとめ】目的から問題点などを徹底解説
カジノ法案(IR推進法案)が7月に成立したことは記憶に新しいですが、その詳細な内容はあまり知られておらず、「日本でもカジノが合法化されることが決まった」という認識にとどまっている方が多いのではないでしょうか。
この記事では「カジノ法案って一体どんな法律なの?」「日本にカジノができたらどんな影響があるの?」といった疑問を抱えている方のために、カジノ法案の経済効果や問題点、カジノの設立場所などについて詳しく解説していきます。
コンテンツ
カジノ法案(IR推進法案)とは?
ここではカジノ法案(IR推進法案)がどのような法律であるかということに加え、カジノ構想において重要な概念である「MICE」について詳しく解説していきます。
総合型リゾート内のカジノを合法化させる
カジノ法案は正式名称を「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」といい、その名のとおり複合観光施設を設置して観光客を呼びこみ外貨を獲得することを主な目的としています。
宝くじや競馬など一部の公営ギャンブルを例外として日本では賭博行為が法律で禁じられているため、カジノを含む複合観光施設を作るためには、まずカジノの運営を合法化する必要があります。
カジノ法案は複合観光施設内においてのみカジノを合法化する法案です。政府が認可した複合観光施設以外のカジノはこれまでどおり違法のままなので注意してください。
また複合観光施設の設置に伴ってMICEを誘致することもカジノ法案の目的のひとつであると言えるでしょう。
MICEとは国際会議や展示会といったビジネスイベントの総称を指す言葉で、MICEを誘致することで大きな経済効果が期待できます。
カジノ法案の目的
カジノ法案が成立することで、観光客の増加に伴う経済効果やインフラの整備による地域の活性化、複合観光施設スタッフをはじめとした雇用の増加など、さまざまなメリットが期待できます。
ここではカジノ法案の主な目的であるそれらのメリットについて詳しく解説していきます。
観光客増加による経済効果
カジノ法案成立に伴うもっとも大きなメリットであると同時に、カジノ法案最大の目的とも言えるのが観光客の増加による経済効果です。
仮に日本国内にカジノを含む3箇所の複合観光施設が設置された場合、年間1兆5000億円規模の市場に成長することが期待されています。
これはシンガポールのカジノを参考に試算したもので、世界有数の観光大国であるシンガポールに匹敵する観光客が来日して初めて実現する数字です。
しかし複合観光施設を設置して大勢の観光客を誘致することができれば日本がシンガポールに匹敵する観光大国に成長する可能性も充分にあるため、決して見当違いな試算ではありません。
インフラ整備によって地域の活性化
観光客の増加に伴う経済効果に次ぐメリットとして、インフラの整備による地域の活性化が挙げられます。
カジノを主な目的とする観光客でも来日すればカジノ以外の観光地にも足を運ぶことはまず間違いありません。
複合観光施設が設置されている自治体はカジノ以外の収益の増加も期待できるため財政が潤い、インフラの整備が進むことが予想できます。
またインフラの整備は地域の活性化にもつながるため、カジノ法案は地域の活性化にも大きく貢献する法案であると言えるでしょう。
雇用の増加
カジノ法案の主目的である複合観光施設にはカジノ以外にもホテルやショッピングモール、レストランや映画館などさまざまな商業施設が併設されます。
それらを運営するためには規模に応じた人員の雇用が絶対的に不可欠であり、複合観光施設が設置されるということは同時に雇用の拡大を意味していると言えるでしょう。
複合観光施設のスタッフは言うまでもなく、観光客の増加に伴って需要が高まれば周辺の宿泊施設や飲食店にもより多くの人員が必要となり、カジノ法案の成立に伴って雇用の増加とそれによる経済効果が期待できます。
カジノ法案成立の問題点
前項ではカジノ法案のメリットについて説明しましたが、ここではマネーロンダリングがおこなわれる危険性やギャンブル依存症の増加、治安の悪化といったカジノ法案の問題点について詳しく解説していきます。
マネーロンダリング
海外ではカジノがマネーロンダリングのために利用される場合があり、日本においてもカジノがマネーロンダリングの温床となる危険性が指摘されています。
マネーロンダリングとは詐欺や脱税、禁止物の売買など違法な手段で手に入れた資金の出処を偽装することを指し、カジノは容易に現金をチップに換えることが可能であり、さらに大金をやりとりしても目立たないため、マネーロンダリングの温床となりやすい傾向にあります。
加えて日本の金融機関は世界的にみてマネーロンダリングの対策が甘い部類に入るため、今後なんらかの対策を講じなければマネーロンダリングの温床となる可能性が高いと言えるでしょう。
ギャンブル依存症の増加
カジノ法案の成立に伴って槍玉に上がることの多い問題点がギャンブル依存症の増加です。
リゾートカジノの建設によって合法的にギャンブルをプレイする機会が増えることは事実ですが、現時点ではカジノが乱立することは考えにくく、またカジノ法案によって合法化されるカジノは富裕層および外国人観光客を主な対象としています。
競馬や競輪、競艇といった公営ギャンブルに加え、パチンコやパチスロを気軽にプレイできる環境が整っている日本は既にギャンブル大国といっても過言ではないため、カジノが合法化されたところでさしたる影響はないと考えられます。
治安の悪化
先でも述べているように、カジノ法案は外国人観光客の呼びこみを目的として複合観光施設内のカジノを合法化するものです。
複合観光施設の周辺には外国観光客だけでなく国内からも多くの集客が予想されますが、それに伴って犯罪の発生率が増加する可能性もあるなど治安の悪化が懸念されます。
実際にマカオではマフィア同士でカジノの利権をめぐって抗争事件に発展したケースもありましたが、カジノ解禁後に犯罪の発生率が下がったシンガポールの例もあるなど、カジノが必ずしも治安の悪化につながるとは言い切れません。
いつカジノができるのか?
ギャンブルファンとして気になるのはカジノがいつ完成するのかということですが、カジノを含めた複合観光施設は2025年を目安に完成すると見られています。
ここではカジノが建設されるまでの流れについて解説していきます。
カジノ建設までの流れ
カジノ法案の成立から間もない2019年現在、カジノを含めた複合観光施設の建設に向けて慎重に法整備が進められています。
カジノ建設に向けた今後の流れは以下のとおりです。
- 2021年~:建設候補地の選定、近隣住民および自治体との合意形成
- 2023年~:建設業者の選定、着工
- 2025年:カジノを含む複合観光施設の完成
法整備がまとまれば基本計画を立案し、その後建設候補地の選定に入りますが、そのためには建設地域の自治体および近隣住民との合意を形成し、さらには周辺環境へどのような影響を及ぼし得るかを評価しなければならないなど、超えなければならないハードルは少なくありません。
それらをクリアしてから建設業者を選定し、施設の建設が始まることを考えると、前述したようにカジノの開設は2025年前後になると考えられます。
東京オリンピックに間に合う?
当初は東京オリンピックに合わせて開設する案もありましたが、以上のことを踏まえると2020年に開催される東京オリンピックには到底間に合わないことがわかります。
東京オリンピックに間に合わないことは少々残念ですが、法整備や候補地の選定、環境アセスメントが慎重に進められることには計り知れないメリットがあると言えるでしょう。
気になるカジノ候補地!
前項ではカジノの開設時期について説明しましたが、次に気になるのがカジノの建設地です。
現在、北海道を含む9箇所が建設の候補地として挙げられていますが、その中でも特に有力視されているのが以下の3箇所です。
大阪「夢洲」
大阪府はカジノ法案が持ち上がった当初から建設予定地に名乗りを上げていました。
候補地である夢洲は大阪湾に浮かぶ人口島で、広大な敷地を有していることはもちろん、夢洲駅の開業や新たなランドマークとなるタワービルの建設が予定されているなど、カジノの誘致に向けて着々と準備が進められています。
また大阪府では2025年には万博の開催が決定しているため万博前の2024年中にカジノを開設したい意向を示していますが、前項で述べたように現時点で完成は早くとも2025年になると見られており、万博前の開設は難しいと考えられます。
和歌山「和歌山マリーナシティ」
大阪府夢洲と並んで有力な候補地が和歌山マリーナシティです。和歌山は国内でカジノ誘致にもっとも積極的な姿勢を示しており、立地の近い大阪府と合わせた誘致を目論んでいます。
一見すると不利であるようにも思えますが、近隣に複数のカジノを開設することによって相乗効果が生まれ、より大きな集客と経済効果が期待できます。
また和歌山マリーナシティという既存のリゾート施設にカジノを誘致することで初期費用を低く抑えることができるという点も大きな強みのひとつです。
長崎「ハウステンボス」
長崎のハウステンボスも和歌山マリーナシティと同様に既存のテーマパークにカジノを組みこむことで建設費用を抑えることが可能であり、また中国や韓国といった特定アジア圏からほど近い立地から海外観光客の集客が期待できるとして、有力な候補地のひとつに数えられています。
ハウステンボスとはオランダの街並みを再現した総合テーマパークで、東京ディズニーリゾートを大きく上回る広大な敷地を有するだけでなく、九州を代表する観光地のひとつとして高い集客力を誇っています。
多くの候補地では治安の悪化を懸念してカジノの建設反対派の住民が多数を占めているのに対し、長崎ではカジノ建設の賛成派が反対派を上回っていることも大きな強みのひとつです。
日本人利用者に対する規制は?
カジノ法案の問題点のひとつとしてギャンブル依存症の増加が指摘されていることは先で述べました。そこで政府はギャンブル依存症への対策として、日本人を対象にカジノ利用の規制が設けることを決定しています。
ここでは現時点で決定している3つの規制策について詳しく解説していきます。
カジノ入場回数制限
ギャンブル依存症に陥るとギャンブルで遊びたい欲求を抑えることが難しくなり、限度を超えた頻度でギャンブルをプレイするようになります。
そこで政府はギャンブル依存症のリスクを軽減するため、週に3回または1ヶ月に10回を上限としてカジノの入場回数を制限するという対策案を示しました。
カジノに入場する際にはマイナンバーの提示が求められる予定ですが、これによってマイナンバーカードの普及率の向上が期待できます。
日本人客は入場料を徴収
カジノ大国として知られるマカオをはじめ多くの国では国籍を問わずカジノを利用する際に入場料を徴収することはありません。
しかし日本が法整備にあたってモデルケースとしているシンガポールでは自国の国民に対して入場料を課していることなどを踏まえ、日本においても自国の国民から6,000円の入場料を徴収することが決定しています。
日本人にのみ入場料を課すことで、外国人観光客の利用を促すと同時に日本人客の入場を抑制できるため、ギャンブル依存症を予防する効果が期待できます。
クレジットカードの使用禁止
政府は入場回数の制限に加えて、クレジットカードの使用を禁止する方針を示しています。クレジットカードの使用を禁止することで資金の管理が容易となり、予算以上の損害を予防してギャンブル依存症のリスクを軽減します。
クレジットカード使用禁止の対象となるのは日本人のみで、カジノ法案の種目的である外貨の獲得を促すため外国人観光客はクレジットカードでチップを購入することが可能です。
まとめ〜カジノができるのはまだまだ先〜
カジノが完成するのはまだまだ先の話ですが、カジノの誘致が決定事項であることは間違いなく、建設に向けて着々と準備が進められています。
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✅カジノの完成は2025年前後を予定している
✅ギャンブル依存症を予防するため日本人客の利用に対して規制が設けられる