- 2019.10.11 2020.09.28
オンラインカジノで勝ったら税金はかかる?課税のタイミングや確定申告
オンラインカジノはいつでもどこでも気軽に本格的なカジノゲームを楽しめる人気のコンテンツです。
ネットゲーム等と違ってリアルマネーを賭けることができるので、娯楽としてだけでなく副業としても高い人気を誇っていますが、オンラインカジノで収入を得た場合にはきちんと税金を支払わなければならないということはあまり知られていません。
この記事では「いくら勝ったら税金が発生するの?」「パチンコや競馬では税金を払わなくていいのにどうしてオンラインカジノでは払う必要があるの?」とお悩みの方のために、税金がかかる仕組みや税金の計算方法、確定申告に必要な書類などについて詳しく解説していきます。
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オンラインカジノに税金がかかる仕組み
オンラインカジノで稼いだお金は法律上「一時所得」として分類され、課税の対象として扱われます。一時所得とは、仕事で得られる給与など安定した受領の見込みがある所得とは異なり、文字通り一時的に受領する所得を指す言葉です。
一時所得にはオンラインカジノの配当金の他に生命保険の一時金や遺失物の拾得に伴う報労金などがあり、またオンラインカジノに限らずパチンコや競馬などギャンブルで得られる収入はすべて一時所得に分類されます。
オンラインカジノの税金を収めないでいると国から通告が届き、それを無視していると追徴税や脱税に問われる恐れがあるので注意してください。
なぜパチンコや競馬は税金を払わなくても罪にならないのか?
ギャンブルで得られる収入が課税の対象であることは先に述べましたが、みなさんはパチンコや競馬の配当金にかかる税金を払った経験があるでしょうか。
恐らくほとんどの方が税金を払った経験がないと思います。だからと言って脱税に問われた方もほとんどいないはずです。
それは何故かというと、パチンコや競馬では配当を得たことを示す記録が残らないからです。資金の流れを把握するのが困難であり、取り締まりたくても取り締まれません。ですが、本来であればオンラインカジノ同様競馬やパチンコも税金を支払わねければいけないのです。
オンラインカジノでは、パチンコや競馬とは異なり、銀行口座にお金の流れが記録されるため、税金を支払う必要があります。
オンラインカジノで払う税金の計算方法
オンラインカジノで得た収入にかかる税金を支払うためには確定申告をしなければなりませんが、被雇用者の場合は企業に確定申告を任せているため、その方法を知らないという方も多いのではないでしょうか。
しかしオンラインカジノの場合は、納税するためにプレイヤーが自分で確定申告をしなければなりません。
ここでは確定申告の仕方がわからないという方のために、確定申告のタイミングや税金の計算方法について説明していきます。
課税のタイミングと確定申告のタイミング
確定申告は1月1日から12月31日までの一年間に稼いだ所得を対象に、翌年の2月16日から3月15日の間に手続きをおこないます。
オンラインカジノで得た収入にかかる税金は配当を獲得したときではなく配当を出金したタイミングにかかるので、たとえば12月31日に獲得した配当を当日に出金するとその年分の確定申告に関わりますが、翌日の1月1日以降に出金した場合には翌年分の確定申告に課税されます。
出金した際に口座に履歴が残ることがその理由で、本来であれば競馬も馬券を現金に換金したタイミングで所得とみなされて課税されますが、前述したように記録が残らないため税務署から追求されることはありません。
税金の計算方法
オンラインカジノにかかる税金の計算方法は以下のとおりです。
【所得税】=【一時所得】×0.5×【税率】×【復興特別所得税】
一時所得の計算方法が少し特殊なので、オンラインカジノにかかる税金を計算するためには、まず一時所得の計算方法を理解しておかなければなりません。一時所得の計算方法は以下のとおりです。
【一時所得】=【収入金額】-【支出金額】-【特別控除額 (最高50万円)】
たとえば5万円の賭け金で100万円の配当を得てそれを出金した場合、上記の式に当てはめると、100万円-50万円=50万円の一時所得があると算出できます。
【収入金額】は出金した金額とイコールですが、【支出金額】はオンラインカジノでは計算されないためここでは考慮していません。さらに【特別控除額】では最大50万円まで免除されるので、出金額から50万円を引くだけでオンラインカジノにおける一時所得を簡単に求めることが可能です。
一年間の出金額が50万円以下であれば一時所得に課税されることはありません。
ただし、ここで気をつけなければならないことが、出金額と損益が必ずしもイコールではないと言うことです。
月 | 入金額 | 出金額 | 損益 |
1月 | 5万円 | 10万円 | +5万円 |
2月 | 10万円 | 5万円 | -5万円 |
3月 | 5万円 | 15万円 | +10万円 |
4月 | 5万円 | 5万円 | ±0 |
5月 | 10万円 | 5万円 | -5万円 |
6月 | 5万円 | 10万円 | +5万円 |
7月 | 10万円 | 20万円 | +10万円 |
8月 | 5万円 | 10万円 | +10万円 |
9月 | 5万円 | 5万円 | ±0 |
10月 | 10万円 | 5万円 | -5万円 |
11月 | 5万円 | 20万円 | +15万円 |
12月 | 10万円 | 15万円 | +5万円 |
合計 | 80万円 | 125万円 | +45万円 |
上の表は一年間の収支をまとめた例です。
一年間の損益だけを見ると45万円のプラスとなっているので、一見すると税金がかからないように思えるかもしれませんが、この場合【収入金額】には45万円ではなく出金額の合計である125万円を当てはめて計算するため、125万円-50万円=75万円の一時所得があるとみなされるので注意してください。
一時所得の金額が195万円以下の場合の【税率】は5%、【復興特別所得税】は所得税の2.1%なので、上記の表を例にとると、所得税は750,000x0.5x0.05x1.021=19,143円であることが求められます。
【要チェック】確定申告に必要な書類
確定申告には以下の書類が必要となります。
- 源泉徴収票
- 支払調書
- 経費の領収書
企業に勤めているのであれば源泉徴収票は年末頃に企業から受領できますが、支払調書は年末頃にオンラインカジノに問い合わせるか収支の明細をプリントアウトして準備してください。
所得が300万円以下の場合、経費の領収書は必要ありません。
会社勤めの方は要注意!
日本では副業を含む職業選択の自由が憲法によって保証されているにもかかわらず、副業を禁止している企業が少なくありません。
オンラインカジノによる収入が会社にバレると面倒な事態に発展する恐れがあるため、副業禁止の会社に勤めている方は、確定申告書の2面にある「給与所得者がその他の所得にかかる住民税の徴収方法」という項目の「普通徴収」の欄にチェックを入れてください。
そうすることで住民税徴収票が会社でなく自宅に届けられるようになるので、オンラインカジノによる収入があると会社にバレることなく確定申告をおこなうことができます。
税金を納めないとどうなるのか?
税金は国民が担う義務のひとつとして定められているため、納めるべき税金を納めないでいることは義務の履行を怠っているとみなされ、追徴税が課されます。
所得税の支払い期限を過ぎると7.6%の延滞税がかけられ、さらに2ヶ月を超えると延滞税は倍の14.6%にまで跳ね上がります。
それでも支払いを拒み続けた場合にはいわゆる脱税として行政処分を受け、最終的には財産を差し押さえられてしまいますので、税金は必ず期限内に支払いを済ませるよう注意してください。
パチンコや競馬と異なり、オンラインカジノで得た配当を出金するとその履歴がネット上にデータとして残るため、隠し通すことは不可能です。
過去にあった、競馬の税金問題
過去に競馬で得た収入にかかる所得税の扱いをめぐって裁判がおこなわれたことがあります。
基本的に競馬の配当に関して国税局に追求されることはありませんが、被告が3年間に約28億7000万円分の馬券を購入し、およそ30億1000万円の配当を獲得していたために国税局の知るところとなり、裁判へと至りました。
本来であれば損益にかかわらず30億1000万円を所得とみなして税金が課せられますが、当事例では被告の経済活動が一時的なものでないと認められたため、1億4000万円の利益のみを所得とみなすべきだという被告の主張が認められた結果となっています。
しかしながら被告が確定申告を怠っていたことから最終的には有罪判決を受けているので、オンラインカジノに限らずギャンブルで50万円以上の配当を得た場合には必ず納税するようにしてください。
まとめ~50万円の利益が出たら必ず確定申告に行こう〜
ギャンブルで得た収入は一時所得とみなされ、課税の対象となっています。パチンコや競馬などと異なり、オンラインカジノは資金の流れのデータが履歴として残されるため、年間の出金額が50万円を超える場合には確定申告をしなければなりません。
納税を怠っていると最終的に差し押さえなどの行政処分を受ける恐れがあるので必ず期限内に支払うよう注意してください。
✅年間の出金額が50万円以下であれば所得税は免除される
✅納税するには2月16日から3月15日の間に個人で確定申告をしなければならない